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何かがおかしい「SK-II」の化粧水のCM

 最近、テレビでよく目にする桃井かおり、小雪、綾瀬はるかという人気女優3人が豪華共演している「SK-II」の化粧水のCM。このCMに対して、伊集院光が自身のラジオ『深夜の馬鹿力』(TBSラジオ/10月31日放送分)でこんな指摘をした。

「SK-llのCMを見ていて、ちょっとした違和感を感じていた。綾瀬はるかちゃんの(しゃくれた)アゴにはもう違和感を感じないはずだけど(中略)......何回か見ているうちにその正体に気づいた」

 そう言って伊集院が説明したのが、このCMに隠された巧妙な「トリック(?)」だ。もし、このCMをまだ観ていない人は、ここで映像をチェックしてほしい。どこがおかしいかわかるだろうか?

 CMでは、まず綾瀬が透明のアクリル板に赤いマジックで「への字」を描くように2本の線を引き、それを引き継ぐ形で小雪が同じように線を引き、さらにそれを受けて、桃井が線を引く。こうして3人が引いた線で、この化粧水の成分がクリアな肌に導くために働きかける5つの要素(「キメ」や「ツヤ」など)を示した五角形チャートが描かれるのだが――うん? ここに伊集院が感じた違和感があったようだ。

 そう、3人で2本ずつ線を書いたのなら、六角形になるはず。それが、なんとも自然な形で五角形が描かれている。要は、数学的整合性が取れていないのである。

 伊集院はこれに対して、「自分のような、SK-IIという商品とは関係ない人間に、ここまでCMを凝視させるのだから、このCMディレクターはすごい。わざとではないか」と、(ケアレスミスと理解しつつも)皮肉たっぷりに褒め殺してみせていたが、はたして、万が一にもSK-II側にそんな深い戦略はあるのか? 同ブランドを展開するP&Gマックスファクターに聞いてみた。

「セレブリティ(編注:出演女優のこと)のシーンを合成で作ったため、その編集工程において配慮が足りず、各セレブリティが引く線の合計が最終的に五角形に合わないものになってしまいました。商品特長をお伝えするにあたっては、お客様に大きな誤解が生じることはないと判断し、そのまま活用しました」(P&Gマックスファクター・プレスルーム)

 やはり単純なミスだったようだが、なんと、そうとわかっていながら、そのままOAしてしまったらしい。しかも、CM上ではごく自然に絡み合っている3人の女優は、別々に撮影し、合成されたものだというのだ。

 こうした話を知ってしまうと、YouTubeなどにあるこのCMを誰かに観せて、「ねぇ、どこか変だと思わない?」と問いかけつつ、ドヤ顔でその答えを開陳したくなるというもの。確かに、ネット上でも伊集院の指摘を受けて、この件が話題になり、CMの認知度は上がっているようだ。ミステイクをそのままOAすることで、合成の完成度の高さも相まって、結果的にバイラルマーケティングとしては成功しているともいえなくもないが、やはりCMディレクターとしては複雑な心境ではあろう。CMの世界では稀な「珍プレー」といえそうだ。

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